マンダレー日本語学校とサガインヒル日本人パゴダ

 マンダレーとサガインの位置関係

 東南アジアの西端にあるミャンマー連邦共和国は日本から直線距離で4300キロを超え、西はインド、北は中国、東はASEAN(タイ)の合計33億人に唯一接するアジアの要衝の地です。さらに、マンダレーはそのミャンマーのほぼ真ん中に位置します。今後アジアがさらに発展していく中で、アジアの中心に存在するミャンマーの、さらにその中心に存在するマンダレーは、今後の発展が限りなく見込まれる地域です。

 上記の地図の右側が日本から見た位置関係ですが、それを拡大したのが、左側です。

マンダレーはヤンゴンに次ぐミャンマー第二の都市で、ビルマ最後の王朝「コンバウン王朝」の首都でした。市の中心には王宮があり、王宮の西側に「かけはし日本語センター」があります。また、マンダレーと大河イラワジ川を挟んだサガインヒルという高い丘があります。そこに無数のパゴダ(仏塔)が建立されていますが、その中の一画に、太平洋戦争で亡くなった日本兵を弔う日本人パゴダ(仏塔)があります。

 「かけはしプロジェクト」として、かけはし日本語センターで育成されたミャンマー人の受け入れ事業を通して、得た収益の一部を、先ずはサガインヒルにある日本人パゴダの清掃や修復等に充てたいと考えています。

 それと並行しながら、未だ多くの日本兵の御遺骨がインドとの国境をまたいでインパールまでに向かう山中で放置されている為、遺骨収集活動を行っているNPO法人等に収益の一部を寄付していきたいと考えています。

 なお、マンダレーの人口の3分の1は中国人と言われているぐらい、中国化が進んでいます。これは北に雲南省との国境があり、そこから多くの中国人がミャンマーの混乱期等に流入してきたことにより、その影響は色濃く残っています。よって、多くのミャンマー人は日本人の進出を心待ちにしていますが、現在日本人・日本企業はヤンゴンに集中しているため、まだその影が薄いのが現実です。

 これからアジアのへそとして、発展が期待されるミャンマーにおいて、その中心に位置するマンダレーは、過去においても将来においても、日本人がより一層関わる理由がある場所であります。ミャンマーで初めてヤンゴン以外、かつマンダレーで行われる「かけはし日本語センター」の教育及び送り出し事業は過去・将来において意味のある試みであることをご理解頂けると思います。

 

サガインヒル日本人パゴダとかけはしプロジェクト

 日本語学校かけはしから車で小一時間西側に向かって走ると、雄大なイラワジ川にかかる巨大な高架橋を渡り、そこからサガインヒルという小高い丘に無数の金色に輝くパゴダ(仏塔)が見てきます。その頂上付近に、主に四国出身者の太平洋戦争で亡くなった日本兵の方々を弔う日本人パゴダや慰霊碑があります。

 ビルマ戦線で亡くなった日本人は16.7万人(厚生省援護局1964年調査)といわれ、未だ多くの方々の供養が十分されない状態です。よって、先ずはこのサガインヒルのパゴダだけでも、建立された方々の想いを受け止めて、継続的に供養がされるようにしたいと考えています。かけはしプロジェクトとしては、日本語学校かけはし関連事業で発生した収益の一部を、当該サガインヒルのパゴダの維持管理などに使っていただこうと考えています。

 

 上の写真左側が日本人パゴダです。小さくて見えませんが、下部に亡くなった方の所属部隊と名前が書かれています。ただし、ところどころ名前の字が消えていたり、汚れて見えなくなっていたりしているので、できるだけマンダレー訪問時にお参りと同時に、掃除をするようにしています。ただし、丘の上で遮るものがなく、直射日光で暑いため、右の写真のように、現地の少年が気の毒に思って傘を持ってきてくれました。さらには奥にいる若者は、掃除自体を手伝ってくれました。遠くから様子を眺めていた彼らが、老体での作業を気の毒に思ったのか、このように手伝ってくれたことが本当に嬉しく、かつ改めてミャンマー人の優しさを感じました。

 ただし、本当はこのようなことこそ、日本の若者にやってほしいと思っています。それも継続的にやれないと意味がないと思いますので、このようにプロジェクトとして、仕組みを作って行っていくことで、より多くの方々のご参加を期待するところであります。また、厚生労働省が数年前に国として取り組み始めましたが、依然としてこのように仏塔などで十分に供養されていない方がまだ多くミャンマーの地で眠っているので、並行して、遺骨収集のNPO活動をしている団体へ収益の一部を寄付させていただければと考えています。

 上記の活動は定期的に当該ホームページ上で報告させて頂きますので、是非ともかけはしプロジェクトの趣旨にご賛同いただき、一人でも多くのミャンマー人の受け入によるご支援を頂けるよう、宜しくお願いいたします。